【WiFi】知っておきたいドローンの電波について【LightBridge】

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ドローンの電波、『強い』『弱い』ってどういうこと?

今回はドローンを飛ばすのに欠かせない電波のお話です。

ここではDJI製品を例にして紹介していこうと思います。

ドローンで使われている電波

どんな電波を使ってるの?

DJIだけでなく国内で販売されているドローンの多くは、周波数が『2.4GHz(ギガヘルツ)』の電波を使っています。

この帯域は産業・科学・医療用の機器にも多く利用されていて、『ISMバンド』(Industry Science Medicalバンド)とも呼ばれます。

この周波数はドローン以外にも、非常に多くの機器で使われています。

2.4GHzってWiFiと一緒?

使用している電波はWiFiと同じ周波数の2.4GHzです。

Mavic AirやSparkはWiFi規格の通信で、操作や映像の情報を伝送しています。

WiFiは無線による通信の規格です。

種類もいくつかありますが、長くなるのでここでは省略します。

一方、『Light Bridge2』や『OcuSync』、 Mavic2から採用された『OcuSync2.0』 などは一般的な通信の規格ではなく、DJI独自の映像や操作情報の伝送方式です。

どう違うの?

WiFiは、もともと近距離の無線通信のために開発された規格で、対象は家電などだったようです。

それに対して『LightBridge』や『OcuSync』は、ドローンの操作や映像伝送に特化したシステムとして開発されています。

Mavic Proのページに詳しく記載されていますね。

OcuSyncはLightbridgeシリーズの1つで、すべての伝送速度においてWi-Fi伝送よりも優れたパフォーマンスを提供します。またOcuSyncは、より効果的なデジタル圧縮とチャンネル伝送技術を使用し、電波が著しく干渉される環境下でも確実にHD動画を伝送します。

OcuSyncはさまざまな最先端の通信産業テクノロジーを使用し、感度、抗干渉性、抗フェージングだけでなく、高速での飛行時においてもWi-Fiを上回ります。さらに、OcuSyncは複数のデバイスへの同時接続にも対応しています。Wi-Fiと比べてOcuSyncは、スムーズに伝送でき、伝送距離は長く、干渉を受けた後やGPS信号をロスした後のリカバリーが迅速です。

DJI Mavic Pro
https://www.dji.com/jp/mavic?site=brandsite&from=nav

電波の強さはどこでわかるの?

スペックの『伝達電力』

DJIのドローンはホームページの製品情報のスペックに、伝達に使っている電波の強さが記載されています。

『伝達電力(EIRP)』という項目です。

EIRPとは無線LANなどの電波の強さを表すときに使われます。

『dBm(ディー・ビー・エム)』という見慣れない単位で書いてあるのは、

等価等方輻射電力という電波の強さを表す指標になるものです。

普通に生活していると全く目にすることの単位ですね。

製品スペックのページにあるアルファベットの略称は、それぞれの国や地域での技術基準に適合していることを表します。

日本は『MIC』と記載されています。

これは『Ministry of Internal Affairs and Communications』。

総務省を英語表記したときの頭文字ですね。

FCC認証アメリカの技術基準。

CEマークEU (欧州連合) 加盟国の基準を満たすものに付けられる基準適合マークです。

中国SRRC認証もあります。

日本では5.8GHz帯が使えないので、そちらには『MIC』の記載はありません。

DJIドローン機種別の電波の強さ

機種ごとの伝送電力をまとめてみました。

WiFi
Spark 18dBm以下
Mavic Air 19dBm以下

LightBridge系
Phantom4 ADVANCED 17dBm以下
Phanton4 ProV2.0 20dBm以下(OcuSync)
Mavic Pro/ Pratinum 18dBm以下(OcuSync)
Mavic 2 20dBm以下(OcuSync2.0)

これだけ見るとあまり差がないように見えますね。

実はそんなに差がないのかな?

けっこう違います

これをわかりやすいように電力の単位、『W(ワット)』に換算してみます。

数字が小さいので『ミリメートル』や『ミリリットル』と同じように、頭に『ミリ』を付けて『mW(ミリワット)』で表記しています。

『Light Bridge2』は『mW』で書いてあったので、そのままです。

WiFi
Spark 63.10mW
Mavic Air 79.43mW

LightBridge系
Phantom4 ADVANCED 50.12mW
Phanton4 ProV2.0 100mW(OcuSync)
Mavic Pro/ Pratinum 60.10mW(OcuSync)
Mavic 2 100mW(OcuSync2.0)
LightBridge2 100mW

こうしてみると出力に差があることがわかります。

同じ『OcuSync』でも『Phantom4 ProV2.0』と『Mavic Pro』では、『Phantom』の方が1.7倍も出力が大きいですね。

『Mavic Air』よりも『Mavic Pro』の方が出力が小さいのは、ドローンの映像・操作の伝送に特化した『OcuSync』伝送システムの効率が良い結果だと思います。

電波が安定していると言われている機種は、出力も高い傾向にあるようです。

ドローンの電波が影響を受けるもの

2.4GHz帯の通信機器

最初にも書きましたが、非常に多くの機器が利用する帯域のため、電波が重複し干渉を引き起こす可能性があります。

WiFiやBluetoothなどの無線機器のほか、身近なところだと電子レンジも2.4GHzの電波を使っています。

この周波数を使っているものはいたるところにあります。

携帯電話やWiMAXも

携帯電話では日本の3大キャリアが2.1GHzをメインで使っています。

また、2.5GHzはWiMAXに割り当てられています。

これらの周波数の近い通信機器によっても干渉を受けることがあります。

特に携帯電話が干渉の原因になる事はよくあります。

何も無い海岸で強い電波干渉を受けていると表示されていた時、同行者にスマホの電源を切ってもらったら解消したこともありました。

この他にもたくさんあります

この他にも電波塔高圧電線の近く、地形や建物などの遮蔽物地面の状態によっても影響を受けます。

ドローンを飛行させる前には、電波干渉を受ける場所でないかを必ずチェックしてください。

簡易的ですが『DJI GO 4』でも電波の状況を確認することができます。

さいごに

DJIのドローンで使われている電波についてまとめてみました。

私自身、こういった分野の専門家ではありませんので、違っている点などありましたらコメント頂けるとありがたいです。

ちなみに出身は農学部です(笑)

コメント

  1. うりくん より:

    dBm 読み方は一般的に「デービーエム」です。
    EIRPは実効輻射電力ではなく、等価等方輻射電力です。この電力は、アンテナの入力電力dBmにアンテナの絶対利得dBiを足した電力になります。
    実効輻射電力は、ERPと略され、アンテナの入力電力dBmにアンテナの相対利得dBdを足した電力になります。
    また、通常はWiMaxとせず、WiMAXと記載されますね。

    • UNDER 500 より:

      コメントありがとうございます。

      また、ご指摘をいただき非常に感謝しています。

      しっかり勉強し直して、ちゃんと訂正していきたいと思います。