知っておきたい『真夏にドローンを飛ばす時』 注意すべき5つのポイント

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真夏の日中など、暑いときにドローンを飛ばす場合は、注意すべきポイントがいくつかあります。

トラブルを未然に防ぐためにも、ドローンもしっかり『暑さ対策』していきましょう。

ドローンも『暑さ対策』が重要

真夏の炎天下でドローンを飛ばすと、着陸後にモーターやバッテリー、機体も予想以上に熱くなってしまうことがあります。

高性能なドローンの内部は精密なセンサーや、それらを制御するシステムがぎっちり詰め込まれているので、高温に晒され続けると様々な影響が出てきてしまいます。

発熱量の多いモーターやバッテリーはもちろん、機体のIMU(慣性計測装置、 Inertial Measurement Unit)やフライトコントローラー、送信機、接続しているスマホやタブレットなど全ての機器で熱の影響でトラブルが起こる可能性があります。

バッテリー

外部からの熱や使用している時の温度上昇などにより、高温になるとバッテリーが変形することがあります。もちろん強い衝撃も変形の原因です。

バッテリーが変形してしまうのは、熱や衝撃を受けたことでバッテリー内の化学物質が気化することで起こります。

最悪、発火に繋がる恐れがありますので十分注意が必要です。

バッテリーが熱くなってしまったからといって、エアコンの効いた室内などで急激に温度を下げるのもバッテリーを痛める原因になります。

表面は温度が下がっても内部の温度は高いままの場合もあります。

日陰などでゆっくりと温度を下げてください。

DJIのインテリジェントバッテリーは、温度が40℃以下にならないと充電できないようになっています。

モーター

空撮用のドローンに搭載されているものの多くはアウターローター式のブラシレスモーターです。

モーター内部に熱がこもりやすい構造に加えて、高温の環境で直射日光を浴び続けると温度が上昇してしまいます。

真夏の炎天下ではバッテリー1本分飛ばしたでけでも、モーターは触ると熱く感じるほど高温になることもしばしば。

モーターは高負荷の状態で長い時間使うと発熱量も大きくなるので、風が強い場合はさらに温度が上がってしまう可能性があります。

内部が熱くなりすぎるとベアリングの劣化や、内側に配置してある永久磁石の磁力が弱まったりすることがあります。

こうなるとモーターの性能は大きく低下してしまいます。

さらに温度が上がるとコイルの電線の絶縁体が溶けてコイル内部がショートしてしまい、いわゆる『モーター焼け』となってしまうので注意が必要ですね。

各種センサー、フライトコントローラー

機体の内部に搭載されるIMUやフライトコントローラーなどの精密機器も熱にはとても弱いです。

制御系が熱暴走してしまうと最悪墜落の危険性もあります。

『Phantom』や『Mavic』などのドローンで機体のオーバーヒートはあまり聞きませんが、『Tello』のオーバーヒートは経験された方が多いんじゃないでしょうか。

空撮機は熱対策で内部にファンを搭載しているものが多いので、それほど心配はいらないのかもしれません。

ただ、内蔵のファンが故障してフライトコントローラーがオーバーヒートすることも稀にあるようです。

送信機とスマホ、タブレット

見落としがちなのが送信機側です。

Mavic2の場合、機体のバッテリーだけでなく送信機自体も高温になるとエラーメッセージを出すようになっています。

送信機に取り付けるスマホやタブレットも高温には強くありません。

高温で画像表示がおかしくなってしまったり、起動できなくなることもあるので注意が必要です。

iPhoneでは警告が出ると温度が下がるまで、一切操作を受け付けなくなってしまいます。

また、強い日差しのなかではスマホやタブレットの画面が見づらくなってしまいます。

輝度を目一杯あげても画面がよく見えません。

ディスプレイ用のフードを使うことである程度見やすくなりますが、それでも見づらいのは間違いありません。

DJIのスマートコントローラーやClistalskyなど高輝度のディスプレイでも、真夏の日中にはやっぱり見づらいです。

安全に飛ばすための『暑さ対策』

1. 絶対にダメ!車の中にバッテリーを放置しない!

暑さへの対策ではないんですが、バッテリーを夏場の車内に置きっぱなしにすることだけは絶対にやめてください。

短時間でもバッテリーの膨張や変形の恐れがあります。

最悪、加熱で発火してしまうことも十分あり得ます。

実際に車内に置き忘れてしまったDJIのドローン用バッテリーが短時間で変形してしまったのを何度か見ていますが、機体に取り付けられないほど形が変わってしまっていました。

2. ドローンを直射日光のあたる場所に置かない

強い日差しが当たる状態だと、機体やバッテリー、送信機の温度はどんどん上がっていってしまいます。

使用する直前まで日陰など直射日光が当たらない場所に置いておくようにすると良いですね。

日陰がない場合は、タオルに包んで置いておくようにしています。

日差しはもちろん砂や埃からも守ってくれるので一石二鳥だったりします。

3. 連続で飛行させない

着陸させるたびに機体やバッテリー、モーターなどの温度を確認して、高温になっているようならしばらく休ませてあげましょう。

飛行前後にモーターやバッテリーの温度をチェックすることで、トラブルを防ぐことができます。

リチウムポリマー電池は低温時とは違って、多少温度が上がっても出力特性があまり変わりません。

とは言え高温になると変形や膨張などが起こる可能性があるので、充電や使用は十分温度が下がってから行うとバッテリーを傷めにくいですね。

バッテリー残量にも余裕を持たせて着陸させることをオススメします。

4. 朝夕の涼しい時間帯に

あえて日中の暑い時間帯を避けて、早朝や夕方の暑くない時間帯を選ぶのも有効な対策と言えます。

早朝はオススメで、特に朝日が見られるところでの撮影は気持ちいいですよ。

真夏は朝日や夕日の撮影に専念するのもいいかもしれませんね。

5. ドローンだけでなく『ヒト』も

意外と忘れがちなのがドローンを操作している『ヒト』への影響です。

集中して飛ばしていると熱中症になっているのにも気づきにくいことがあります。

撮影の合間などドローンだけでなく、人間もクールーダウンを忘れないようにしましょう。

暑さでボーッとしてしまって操作ミス、なんてことも避けることができます。

ドローンを飛ばしている近くにコンビニや自販機などが無いことが多いので、水筒などに冷たい飲み物を入れていくのがオススメです。

普段使ってるのは息子のお下がりです(笑)

さいごに

暑い季節にドローンを飛ばす時に注意したいことをまとめてみました。

ドローンも、操作する『ヒト』もしっかり暑さ対策をして安全に楽しみたいですね。