アメリカの『Skydio』から4K撮影が可能で、高度なトラッキング機能を持つドローン『Skydio 2』が発表されました。
Skydio2
4K60fpsでの撮影が可能なカメラを、機体前部の3軸ジンバルに搭載しています。
最高速度は約58kmで最大飛行時間は23分、専用のコントローラーを使えば最大で3.5kmまで伝送距離を伸ばすことができます。
価格は$999と手が出しやすい価格になっています。
今のところはアメリカとカナダのみでの販売になるようです。
自動航行で撮影したとは思えない映像ばかりです。
対象物をしっかり捉えたまま障害物を回避する動きも自然です。
MIT(マサチューセッツ工科大学)の大学院でドローンの自律飛行を研究していたメンバーによって、2014年にカリフォルニアで設立された『Skydio』。
2018年には空撮用のドローン『Skydio R1』を発売しました。
この『Skydio R1』の最大の特徴は、AIによる高度な『自律飛行によるトラッキング』でした。
また、Apple Watchでも操作ができることでも話題になりました。
3軸ジンバル付きのメインカメラの他に、センシング用に12台ものカメラを搭載し、木々の中でも被写体を追い続けます。
この『Skydio R1』も北米のみでの販売で、2019年の夏には販売を終了しています。
今回発表になったのは、その後継モデルの『Skydio 2』は開発に10年もかけた意欲作です。
スペック
機体
サイズ | 223 x 273 x 74 mm (L x W x H) |
ハードケース | 297 x 255 x 65 mm (L x W x H) (ドローン本体、充電ケーブル、予備プロペラ、バッテリーx2 または充電アダプター) |
重量 | 775g (バッテリーを含む) |
飛行時間 | 23分 |
最高速度 | 36mph
(約58km/h、自律飛行時) |
飛行可能風速 | 25mph(約11m/s) |
最大高度 | 15000ft(約4500m) |
最大飛行距離(スマートフォン) | 200m |
動作周波数 | 2.4-2.483 GHz 5.18-5.24 GHz 5.725-5.85 GHz |
測位システム | GPS、GLONASS |
価格 | 999ドル(約108,000円) |
巨大なプロペラガードに囲われていた『Skydio R1』とは大きく形状が変わり、小型で軽量な機体になりました。
重量も775gと、約900グラムある『Mavic2』よりも少し軽いですね。
『Skydio R1』は取り外しできないプロペラガードのおかげで大きく(33cm x 41cm x 4cm)、重量も1キロ以上あったので持ち運びには不便な機体でした。
『Skydio R1』はコントローラー無しで$2499と非常に高価なドローンでしたが、『Skydio 2』は$999ととてもリーズナブル。
これなら手が出しやすいですね。
伝送に2.4Ghz帯も使用していることから、今後日本でも発売して欲しいですね。
カメラ
センサー | Sony IMX57 1/2.3” CMOS有効画素数:12.3MP |
レンズ | 35mm判換算:20 mm
絞り:F2.8 撮影範囲:1 m~∞ |
シャッター速度 | 電子シャッター:1~1/1920s |
ISO感度 | 動画: 100~3200 静止画: 100~3200 |
動画解像度 | 4K: 3840×2160 24/48/60 fps FHD: 920×1080 30/60/120 fps |
動画フォーマット | MPEG-4 (AVC/H.264、HEVC/H.265) |
静止画サイズ | 4056×3040(12MP) |
静止画フォーマット | JPEG、DNG(RAW) |
『Skydio 2』は4k60fpsでHDR動画の撮影が可能です。
DJIの『Mavic 2 Pro』や『Mavic 2 Zoom』、『Mavic Air』のカメラとの詳細な比較データがSkydioの公式ページにあります。
カメラは3軸のジンバルに搭載されて、機体のの正面に取付けられています。
自律飛行システム
この『Skydio 2』も高度な『自律飛行によるトラッキング撮影』が可能な機体です。
メインプロセッサーには『NVIDIA Tegra X2 SOC』を採用しています。
この『NVIDIA Tegra』プロセッサーはGoogleの『Pixel C』などの高性能なスマホのほか、タブレット端末やゲーム機のNintendo Switchにも使用されています。
センシング用カメラは、上下にそれぞれ3個ずつ搭載されています。
200°の画角を持った4Kカメラを6台使って、機体の全方向ををカバーしています。
実際にはこんな感じの映像で全方位を認識しているようです。
トラッキングは被写体の動きに合わせたモーショントラック、一定の方向を向けたまま撮影する固定トラックのほか、ケーブルカムのような撮影も可能です。
自動追跡して撮影するほかに、DJIの『クイックショット』のような機能も4種類あります。
- ドロニー
- ロケット
- ブーメラン
- ボルテックス(渦巻き)
これらすべてを自立飛行で可能にしています。
まさに『究極の自撮りドローン』と言えそうです。
スマホ以外での操作
『Skydio 2』はスマホで操作するほかに、別売りの『Skydio Beacon』やコントローラーでも操作することができます。
Skydio Beacon
『Skydio Beacon』は片手で操作できる小型のコントローラーで、1.5kmまで操作できる範囲が広がります。
『Skydio Beacon』にもGPSが内蔵されているので、被写体が見えない状況でもドローンは『Skydio Beacon』のGPS信号を追い続けます。
別売りのコントローラーを使えば、通常のドローンと同じような操作ができます。
専用コントローラーを使用すると最大3.5kmまで操作が可能です。
アダプターを付ければモニターとしてタブレットも使用する事ができるようです。
コントローラーで操作しても障害物回避は自動で行われます。
最初の動画の中にありましたが、介入はものすごく自然な感じがしました。
ちなみにコントローラーはフランスの『Parrot』社製で、『Parrot ANAFI』のコントローラーにそっくりですね。
『Skydio 2』
『ANAFI』
技適は?
現時点ではアメリカとカナダのみでの販売となっていますので、技適は取得していないようです。
今後も技適取得の予定はないようです。
2020年3月に技適を取得しているようです。
ただ、発売時期は今のところ未定です。
さいごに
『Skydio 2』は研究開発はもちろん、製造やメンテナンスまで全てアメリカ国内で行なっています。
さらに『Skidio』社の安全飛行ガイドラインを守って飛行させている際に、墜落や衝突などが起きた場合の修理や交換は無償です。
ここまでできるのはすごい事です。
日本でもぜひ販売してほしいドローンですね。